女流作家　樋泉 円作の雛人形
黄櫨染は、太陽の輝きをあらわす一方、光の当たり具合によって微妙に変化する色をとらえた複雑にして奥の深い染色の名称です。それはまた天皇以外には決して着用できない「絶対禁色」でもあります。
その由緒ある黄櫨染を写した裂地を、男雛に丁寧に着せ付けました。女雛には平安時代の貴族の衣裳や調度に多用された有職文様の?文が織られた正絹裂地を本式に仕立てました。
座り雛とはまた趣の異なる、衣裳によるゆたかな表現をお楽しみください。
樋泉 円の雛人形
樋泉円の作る雛人形は、本仕立ての衣裳を着せ付けるため、非常な手間と技術を要します。
男雛の平緒と女雛の裳は糊付けされず、実物と同様に取り外すことができます。
また、胴体には、型くずれや虫害の心配の少ない桐材を使用しています。



作家プロフィール
樋泉 円(ひいずみ まどか)1941年、山梨県生まれ。
人形の持つ愛らしさに魅せられて、着付師・津田蓬生(先代)に師事し、十数年にわたりその名人芸を学んだのち、1983年に独立し、製作活動を開始しました。



飾り付けサイズ
・間口60cm
・奥行38cm
・高さ40cm
・人形サイズ:親王(男雛・女雛):京十一番
・屏風:箔押しコーティング