五月人形よくある質問

質問

回答

Q1. 端午の節句の由来は?
A1. 節句は元来「節供」と書きあらわし、季節の変わり目となる節目の日に神様のお供えする食物を意味していましたが、後にそのお供えをする日のこともさすようになりました。
「端午」とは5月の端(はじめ)の午(うま)の日という意味ですが、昔から奇数月と 同じ数字の奇数日を節句とする慣習があり、端午も3月3日の上巳(雛祭り)と同じく5月5日に定着しました。月と日に同じ奇数が重なる日は「重日」といい、悪いことが起きやすい日と考えられていたため、無事健康に過ごせるように神様に祈ったのです。
またこの日は、野に出て薬草を摘んだり、よもぎや菖蒲を屋根に葺いたり、菖蒲湯に入ったりする、邪気を祓うためのさまざまな慣わしがありました。
中でも菖蒲湯などは、今日なお、日本人の暮らしの中に生きています。 この端午の節句が、現在のように男の子の誕生を祝う日となるのは、江戸時代に入ってからのことです。
Q2. 五月人形の由来は?
A2.古来、わざわいは家の外から侵入してくると考えられていたため、それを防ぐ意味から江戸時代の初期、端午の節句に武家では幟や長刀などの武具類を屋外に飾りましたが、町民たちもそれを真似て、家の前に柵をつくり、そこに作り物の兜や長刀、槍、幟、吹流などを立て並べました。
このとき、町民たちは、天の神様に降りてきていただく目印として、兜の頂の部分に勇ましい人形の細工物をのせる工夫を施しましたが、のちにこの兜から人形が独立して飾られるようになり、これが五月人形のそもそもの始まりであるといわれています。
江戸後期になると、これらの節句飾りは小型化して屋内に飾られるようになり、魔除けの赤い布を敷いた上に幟や槍を立てた枠を置き、その前に人形や鎧、兜などを並べ、これに柏餅や粽などを供える座敷飾りが普及しました。これが現在の節句飾りの原形です。
Q3. 鯉のぼりの由来は?
A3.江戸時代、武家では家紋を染め抜いた幟や吹流を戸口に立てていましたが、町民も威勢のいい鯉の滝登りを描いた幟を立てました。
この鯉を吹流のように立体化させたのが鯉のぼりのはじまりといわれ、はじめ幟の先端につるしていた小さな鯉が、やがて独立して大きな鯉のぼりになりました。
これは、中国の黄河の上流にある龍門という急流の滝を登りきった鯉は龍となって天へ昇るという「登龍門」の故事にちなんでおり、鯉は生命力の強さと「立身出世」とを象徴しているのです。
Q4. なぜ、五月人形を飾るのですか?
A4.もともとは悪いことが起きやすい日と考えられていた五月五日に、子どもをわざわいから守ってもらうために飾りました。鎧や兜、刀や弓矢などの作り物は身体を守るものの象徴であり、また英雄豪傑の人形は魔除け・厄除けの願いをかたちにあらわしたものです。五月人形は、男の子が無事に育つための「お守り」ともいうべきもの。そこから、五月人形を飾って男の子の誕生をお祝いし、「強く立派になれ」、「健やかに成長するように」などの願いも込められるようになりました。
Q5. 五月人形は誰が買うの?
A5.父方でととのえる場合と母方の実家から贈られる場合とがありますが、最近は婚家と実家の双方で負担する例も見られます。
これらは、地域により習慣の違いもあることでしょうが、可愛いお子様のために、両家で和やかに話し合って決められるのがよいでしょう。
Q6. お父さんの五月人形を赤ちゃんにゆずってもいいのですか?
A6.五月人形は、それぞれの子どもの幸福を祈るという意味からいうと、本来は別々に揃えたいものです。
従ってやむをえずお父さんの五月人形を飾る場合にも、何かそのお子さんの「お守り」となるような品、たとえば金太郎など、記念の人形を求めて一緒に飾ってあげるのがよいでしょう。
Q7. 次男・三男が生まれた時は?
A7.五月人形は、それぞれの子どもの幸福を祈るという意味からいうと、本来は別々に揃えたいものですが、お住まいのスペースのない時などは、何かそのお子さんの「お守り」となるような記念の品、たとえば金太郎や鯉のぼりなどを求めて、長男の五月人形と一緒に飾ってあげたらよいでしょう。
Q8. 五月人形の選び方は?
A8.五月人形を買う時にまず大切なことは、まず予算をはっきり決め、どの種類(兜飾り・鎧飾り等)にするかを決めましょう。
その場合、好みばかりではなく、部屋の広さや飾る場所、収納スペースを考えて決めることが大切です。あらかじめ飾る場所を決めておき、寸法を測っておくと選びやすくなります。
Q9. 五月人形の種類は?
A9.五月人形とも呼ばれる五月節句飾りには、鎧に諸道具を組み合わせて飾る「鎧飾り」を筆頭に、兜を中心にしたセット「兜飾り」や、甲冑をつけた人形に太刀や弓矢をもたせた「初陣飾り」、また金太郎や桃太郎の人形などがあります。
Q10. 鎧飾りは飾るのが大変?
A10.鎧飾りは、パーツが多くて飾るのが大変と思われる方が多いのですが、実は意外に簡単です。櫃(鎧の入っていた箱)に佩盾(はいたて)を挟み込み、その櫃の上に、鎧を支える芯木をたてます。そして、鎧を芯木にかぶせるように置きます。次に面頰を芯木の頭にかけ、兜をその最上部に被せるように置きます。最後に脛当を沓(くつ)に差し込み、櫃の前に置けば鎧飾りの完成です。
Q11. 親戚、知り合いの赤ちゃんに人形を贈りたいのですが?
A11.りりしい武者人形のほか神武天皇や鍾馗(しょうき=唐の玄宗皇帝が夢で悪鬼に悩まされている時、これを救ったとされる、魔除けの力を持つ想像上の人物)や飾馬など、そのお宅の五月人形に添えて飾るものを選んで贈るのがよろしいでしょう。
Q12. 五月人形はいつ頃飾るのでしょうか?
A12.特にきまりはありませんが、お節句の2~3週間前、4月中旬頃までに飾るのがよいでしょう。
なお、昔から一夜飾りといって前日に飾るのはタブーとされています。
場所はお部屋のなかでも直射日光の当たらないところに飾りましょう。直射日光は、衣裳の変色、退色の原因となります。また飾る場所を決め、その場所で組み立てるようにしましょう。鎧飾りなどは特に、組み立ててから移動すると倒れたりして危険なことがあります。
Q13. 端午の節句のお祝いの仕方は?
A13.五月人形を飾った自宅に近親者を招いて、食事会を催すことが多いようです。伝承の節句料理にはそれぞれいわれのある素材が使われてきました。たとえば立身出世をあらわす鯉や成長するに従って名前が変わるスズキやブリなどの出世魚、武士の出陣につきものの勝栗や成長の早い筍。これらの素材を選んで、アイディアをプラスした心づくしの手料理を用意したり、端午の節句につきもののちまきや柏餅でティーパーティー風のメニューにしたり、楽しくにぎやかにお祝いするのがよいでしょう。
Q14. 初節句のお祝いへのお返しはどのようにしたらよいのでしょうか?
A14.基本的に、初節句に頂いたお祝いに格式ばったお返しは必要ありません。
母親の実家や近親者から五月人形を贈られたのなら、初節句のお祝いの席にお招きするのがいちばんですし、遠方なら、お節句の後、五月人形と一緒に写した赤ちゃんの写真を添えたお礼状を早めに出しましょう。
お返しをする場合は、お節句にちなんだ祝菓子やハンカチやタオルなど日常重宝するような品を選んで、お子様の名前で「内祝」とし、お礼状を必ず添えて贈りましょう。
Q15. 五月人形のしまい方や保管の仕方は?
A15.羽根ばたきで丁寧にホコリを払い、金属の部分は柔らかい布で拭き、汚れを丁寧に取り除きます。
はずした金属部分は柔らかい紙に包んでからしまい、兜の両サイドの吹き返し部分など、すれや傷つきが心配な部分は、紙を巻き保護しておきましょう。
その際は、金具などに指が直接触れないように注意しましょう。指の脂分が、人形の顔の汚れ、金具のサビの原因になりますので、薄手の手袋を着用するなどし、大切に取り扱いましょう。
兜や鎧は全体を柔らかい紙や布で包み、箱に人形専用の防虫剤を入れてしまいましょう。保管場所は、湿気が比較的少ない、また乾燥もしすぎない押入の上段や天袋が適しています。秋に一度、陰干しできれば万全でしょう。
Q16. 役目を終えた五月人形はどうすればいいの?
A16.全国各地の社寺で行っている人形供養(又は人形感謝祭)に持参し、供養料・初穂料を添えて納めるのがよいでしょう。
なお、東京・代々木の明治神宮では、毎年10月中の日曜日に人形感謝祭を行っています。詳しくはこちらをご覧ください。

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