選ぶ前に知っておきたい雛人形の種類について

選ぶ前に知っておきたい雛人形の種類について

女の子の健やかな成長と幸せを願う「ひなまつり」。毎年3月3日の桃の節句には、華やかな雛人形を眺めながら、ご家族一緒にご馳走を囲み、お祝いするのが習わしとされています。貴族の結婚式を表したとされる雛人形には様々な種類があり、飾る場所の広さや収納のしやすさ、素材、デザイン等を考慮しながら選ぶことが大切です。

雛人形の作りの種類

雛人形の作りは、「衣裳着人形」と「木目込人形」の2種類が代表的です。それぞれ人形に用いられる材料や作り方が異なります。

衣裳着人形


木材やワラを組んで作った胴体に手足を取り付けて、華やかな衣裳を着せ、頭(かしら)を付けたものを衣裳着人形と呼びます。伝統的な日本人形を代表する作り方で、雛人形と言えば衣裳着人形を指すのが一般的です。

木目込人形


桐の木を細かく砕いて粉末にしたものに正麩糊(しょうふのり)を混ぜ、粘土状にした「桐塑(とうそ)」で造形した胴体に細い溝を筋彫りします。そして、衣裳となる布を表面にかぶせその端々をこの溝に押し込む(木目込む)ように仕上げたものを木目込人形と呼びます。比較的小さなサイズのものが多く、飾る場所や収納スペースが限られている方にもおすすめです。

雛人形の飾り方の種類

雛人形の飾り方には、いくつかの種類があります。なお、衣裳着人形、木目込人形、いずれにも、下記の種類のものがあります。

七段飾り


男雛、女雛、三人官女、五人囃子、随身、仕丁と15人の人形が勢ぞろいしたもっとも豪華な雛飾りです。伝統的な赤い毛氈(もうせん)を用いたものや天然の木地を生かしたものから、塗りを施したものなど様々です。

三段飾り


「三人官女が付いた雛飾りがほしい。でも大きな七段はお部屋に飾れない……」という方に最適です。ご家庭でも簡単に組み立てられるものが多く、リビングに置いても邪魔にならない小さいサイズのものも人気です。

親王飾り


男雛と女雛のみの雛飾りです。サイズは様々で、出し入れしやすいコンパクトなものから、子供が座ったくらいの大きなサイズのものまであります。また、親王飾りには立ち姿のものもあり、座り姿の雛人形とはまた違った雰囲気を楽しむことができます。

収納飾り


飾り台になる収納箱に人形や道具をしまうことができるタイプの雛人形です。飾り台に高さがあり、直接床に置くこともできるため、見栄えよく飾れます。男雛と女雛のみのものと、三人官女まで揃った五人飾りのものがあります。収納箱の形も四角から六角、階段状のものなど様々です。お部屋の雰囲気や好みに合ったものを選べます。

ケース飾り

ケース飾りは、ガラスまたはアクリル製のケースの中に人形や道具を納めたタイプの雛人形です。人形や道具があらかじめ固定されているので、出し入れの手間がかかりません。埃が付きにくいためお手入れも非常に簡単です。

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雛人形以外の人形の種類について

人形と言えば雛人形ですが、それ以外の人形の種類をご紹介しましょう。これらの人形は、雛人形に添えて飾るものとして親戚や親しい友人、仲人らがお祝いの品としてプレゼントするのが一般的です。また、次女、三女に雛人形を買い揃えるのが難しい場合に、代わりの品として購入することもあります。

市松人形


美男で有名だった江戸中期の人気歌舞伎役者・佐野川市松に作られた人形が、その名の由来です。市松人形は、身代わり人形として災厄を代わりに受けてくれるという伝承もあり、地方によっては雛人形の「お迎え人形」として贈る風習もあります。

浮世人形


様々な浮世風俗を表現した人形です。日本人に親しまれた昔ばなし、能、狂言、歌舞伎などをテーマにしたものが多く、昨今では童心を表現したかわいらしい創作的な人形も沢山作られています。

つるし飾り


鞠や鯛、金魚、鶏、羽子板、ほおずきなど、縁起がよいとされる細工物を吊した飾り物を「つるし飾り」、あるいは俗につるし雛と呼びます。もともとは、高価な雛人形を買うことができない庶民の間で、子供や孫の初節句を祝おうと飾られたそうですが、細工物の一つひとつに、健康や長寿を願う気持ちが込められています。

雛人形には、伝統を重んじた華やかな段飾りから、住宅事情など幅広いニーズに対応したコンパクトサイズのものまで、豊富なバリエーションがあります。
人形の表情もそれぞれ異なり、どれを選んだらよいか分からないという方も多いのではないでしょうか。種類や特徴をあらかじめ把握し、ライフスタイルや好みに合った雛人形を厳選したいものです。

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