吉徳これくしょんvol37
吉徳これくしょん
吉徳これくしょんについて

「吉徳これくしょん」が台東区有形民俗文化財として登載されました。
この度、当社が所蔵している「吉徳これくしょん」の和書581件と一枚刷237件、芝居番付類800件が台東区有形民俗文化財として登載されました。登載された中には、日本の人形玩具史を考える上で欠かせない文献や江戸東京の歴史資料として重要なものも含まれています。
(台東区有形民俗文化財とは、昭和62年に東京都台東区文化財保護条例が施行され、区の歴史・文化を理解する上で必要な文化財を台東区区民文化財台帳に登載し、その中で特に貴重なものを台東区指定文化財としているものです)
吉德十世・山田德兵衛(1896~1983)は人形業界の重鎮であったのみならず、日本における人形玩具研究の第一人者でした。生涯にわたり数多くの著作を遺しましたが、なかでも『日本人形史』(1942)、および『新編 日本人形史』(1961)は初めて人形を学術的に体系づけた名著として、今なお研究者のバイブルとされています。
「吉德これくしょん」は、その十世が昭和初期頃から研究資料として収集した品々を母胎とする、人形玩具ならびに文献資料等の集合体です。たとえば、日本人形の祖形といわれる祓いのひとがた、人形工芸の極致ともいえる江戸期の御所人形、節句飾りの変遷を示す古雛や五月人形、また人形や玩具が描かれた浮世絵など…その数は無慮数千点に及びます。
吉德では、これらの保存と適切な活用とを図るため、1980年に資料室を開設しましたが、2014年の社屋新築を機に展示室を設けて広く皆様のお目にかけることといたしました。まことにささやかな展示ながら、これらの持つ楽しさ、美しさをお汲み取りいただき、併せて日本の誇る人形玩具文化へのご理解を深めていただければ、この上なき幸せに存じます。
[吉德資料室]
吉德資料室が保存管理する「吉德これくしょん」は、資料の性質上、常時すべてを展示してはおりませんが、時に応じて展示替を行い、また折々に企画展も開催いたします。なお、美術館・博物館への貸出やマスコミの取材、および研究者の資料調査や質問等には随時対応いたします。お気軽にお問い合わせ下さい。
資料室長:林 直輝
顧 問:小林すみ江
学芸員 :石塚 友
[ご利用案内]
展示室所在地◆株式会社吉德 浅草橋本店4階
〒111-8515 東京都台東区浅草橋1-9-14
観覧時間◆10:00~17:00
休日◆本店休業日、展示替期間
※メンテナンス等により、臨時にお休みする場合がございます。
観覧料◆無料
交通◆JR総武線「浅草橋」駅下車、東口より右へ10軒目
都営地下鉄浅草線「浅草橋」駅下車、A2出口すぐ
TEL◆03-3851-0161(代)
地図はこちら
吉德これくしょん展示室
「- 絹で描く江戸の粋 – 京極琴山 押絵羽子板展」
11月25日(日)まで開催いたします。
新春を彩る押絵羽子板は江戸後期、歌舞伎の隆盛を背景に、浮世絵師の描く役者絵を押絵細工として羽子板に取り付けたのが始まりです。当時、暮の羽子板市では、その年に評判を呼んだ歌舞伎役者の似顔を描いた羽子板が売られ、ファンはこれを競って買い求めました。それは現代、アイドルの写真やうちわなどのグッズをファンが求める気持ちと何ら変わりません。羽根つきは中国の魔除けの玉打ちがルーツといわれるように、日本の羽子板も単なる玩具としてのみならず、末広がりのめでたい形と、羽根が災厄を「はねのける」に通じることから、新春にふさわしい縁起物として親しまれてきました。本展では、その押絵羽子板の技を今に伝える第一人者、京極琴山氏の作品をご紹介します。
京極琴山(きょうごく・きんざん=三代目)
昭和14年(1939)、東京浅草に押絵師・二代琴山の長男として生まれる。本名・寿一。戦時中、埼玉県春日部市に疎開して定住、高校卒業後、築地の看板店で修業し、押絵を父に習う。昭和43年(1967)、名人と呼ばれた桜井春山に師事し、面相師としての技術を習得する。昭和61年(1986)、父の逝去により三代琴山を襲名。羽子板特有の定形のなかに躍動的な人物を無理なく収め、歌舞伎の名場面をほうふつとさせる氏の作品は、江戸の様式美を伝える押絵羽子板の最高峰として高く評価され、皇室や英国王室へも献上されている。埼玉県伝統工芸士。
京極琴山氏 在廊予定日時
日時:10月26日(金)・10月27日(土)
11月10日(土)・11月18日(日)・11月25日(日)
(各日14:00~16:00)
※在廊日は予告なく変更・中止になる場合があります。予めご了承ください。
ご来場の際は念の為浅草橋本店(03-3863-4419)までお問い合わせください。
ギャラリートーク
「押絵羽子板の見どころ」京極琴山×林直輝
吉德資料室客員研究員で羽子板愛好家の林直輝が、製作の苦心談や作品に込めた思いを伺います。
日時:10月27日(土)14:00~15:00
11月25日(日)14:00~15:00
【- 絹で描く江戸の粋 – 京極琴山 押絵羽子板展】
会期:10月26日(金)~11月25日(日)※11月12日(月)は飾替えの為、ご覧いただけません。
会場:吉德浅草橋本店4F 吉德これくしょん展示室
観覧時間:10:00 ~ 17:00
休日:本店休業日、※10月15日(月)から10月25日(木)まで飾替えの為、ご覧いただけません。
観覧料:無料












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