吉德ひな祭 俳句賞 閉幕のお知らせ



昭和60年(1985年)創設の弊社主催「吉徳ひな祭俳句賞」は本年 令和5年(2023年)にて第39回を迎え、「ひな」を題詠とする全国規模の俳句コンテストとして名実ともに長くその歴史を刻んできました。

すでに報道発表等でご存じのことと思われますが、初回以来長きにわたり吉徳ひな祭俳句賞の選者をおつとめいただいてきた黒田杏子先生は、去る3月13日講演先の山梨県甲府市内にて脳内出血のためお亡くなりになりました。享年84歳。

謹んで哀悼の意を表する次第です。

日本の誇る伝統・文化である「ひな祭」に親しんでいただこうと始められた吉徳ひな祭俳句賞は、一般公募の俳句コンテストとして、また黒田先生のライフワークとしても広く知られ、お陰様にて39年間に約201,000余句の投句をいただきました。

その内容は園児の方から90歳を超えるご高齢の方まで幅広く、「ひな」への皆様の様々な思いが綴られ、また弊社の文化事業としてもその存在感は絶大なものでした。毎回の入選作一つひとつに記された選評は黒田先生の温かいお気持ちが込められ、詠むものに喜びと感動を与えてくださいました。

あらためて黒田先生のご尽力に心より感謝を申し上げます。

黒田先生ともども目指してまいりました次回第40回開催は、誠に残念ながら叶わぬものとなってしまいました。断腸の思いを込めて「吉徳ひな祭俳句賞」の閉幕をここにお知らせいたします。

皆様 有難うございました。

令和5年 (2023年) 9月
株式会社吉徳 広報室


【黒田 杏子(くろだ ももこ)先生】
昭和13(1938)年生。東京女子大学卒。「藍生」主宰。「日本経済新聞 俳壇」選者。
昭和57年 第6回現代俳句女流賞
平成7年 第5回俳人協会賞
平成20年 第1回桂信子賞
平成23年 第45回蛇笏賞
令和2年 第20回現代俳句大賞




▲ この図版は、江戸名所図会(天保5年・1834年刊行) 巻之一「十軒店(じっけんだな)雛市」の図で、画家 長谷川雪旦が描いた、有名な日本橋十軒店の雛市の賑わいの情景です。上部には松尾芭蕉の句「内裏雛 人形天皇の 御宇かとよ」が記されています。軒先に張りめぐらした幕に、吉徳(山田家)の家紋・三蓋松(さんがいまつ)が見え隠れしていることから、この頃すでに、ここに常店(じょうみせ)を構えていた吉徳(創業120年頃)の店先であることがわかります。(吉徳の歴史はこちら)