絆(きずな)2022年版・第22号 その2

私のひな祭り、私たちのひな祭り

東京都足立区
藤原 由奈(ふじわら ゆな)ちゃん
(令和二年五月二十八日生)


令和二年五月二十八日、娘の由奈が生まれました。
私が幼い頃、大好きな祖母に立派なお雛様でひな祭りのお祝いをしてもらったように、この子にも素敵なお雛様をお迎えしてあげたいと、出産前から心に決めていました。
百貨店や専門店を見てまわりましたが、ピンとくるものに出会えず、吉德大光さんの本店に伺いました。私たちが決めかねていると、店員さんがお雛様の着物や、作り手のこだわりなどを丁寧に教えてくださいました。その中でも本仕立ての衣裳を着せ付けている、とても素敵なお雛様をご紹介いただきました。男雛の黄櫨染桐竹鳳凰の御装束は、令和生まれの娘にぴったりだと思いました。女雛の気品溢れる美しいお顔、おめでたい紅白梅の金屏風にも心を惹かれ、ようやく理想のお雛様に巡り会えました。
届いたお雛様を早速飾ってみると、とても優雅で高貴な雰囲気に、部屋の中がパッと華やかになりました。優しく我が子を見守ってくれているようなお雛様を見ていると、赤い毛氈に飾られた私のお雛様を思い出し、とても懐かしい気持ちになりました。三月三日は主人の誕生日でもあるので、当日はたくさん記念撮影をしたり、お料理やケーキでお祝いをしました。祖母と過ごしたあのひな祭りのように、とても素敵な思い出になりました。
これから毎年、家族の幸せな時間を共に過ごしていきたいです。
(母・藤原 有香 記)



お雛様が繋ぐ家族の絆

千葉県市川市
齋藤 四季(さいとう しき)ちゃん
(令和二年六月二十四日生)


新型コロナウィルスが人との接触を制限するようになって一年。
2020年6月、立会出産や入院中の面会禁止の中で我が子は生まてきました。両親は孫の誕生を大変喜んでいるものの、離れて暮らしているためなかなか直接会わせてあげることも叶いません。
そんな状況のまま年の暮れを迎える頃、母から「年内にお雛様を決めましょう」と提案がありました。買いに行って良いものか悩みましたが、初節句をお祝いしてくれる両親の思いと、一生モノなので実物を見て選びたいという気持ちから行くことを決めました。 感染対策のため、現地集合・解散、食事などはしない約束で両親と買いに行きました。
吉德浅草橋本店に入ってお雛様を見た瞬間、凛とした中に優しさのあるお顔に一目惚れしました。
店員さんがソーシャルディスタンスを保ちながら丁寧にお人形ごとの特徴を説明してくださったお陰で、限られた時間の中で全員が納得してお道具が華やかで立派な内親王の「春窓雛」に決めることが出来ました。
お家に届いてお雛様を飾りながら、我が子が両親や家族みんなから愛され、成長を願ってもらっていると感じました。その喜びを伝えようと写真を撮って両親に送ったところ、とても喜んでくれました。
会える機会が少ない中、家族の絆を感じさせてくれたお雛様。これからも毎年飾って成長をお祝いしていきたいと思います。
(母・齋藤 李佳 記)



紗永の初節句

東京都大田区
丸山 紗永(まるやま さな)ちゃん
(令和二年七月二十九日生)


令和二年七月下旬、予定日を超過し、入院&陣痛促進剤を点滴されてやっと生まれてきました。当初の想定よりも大きく、3805グラムという大柄な赤ちゃんでした。
新生児室では他の赤ちゃんより一回りも大きく、ふっかふかで、すやすやと眠っていたのが印象的でした。コロナ禍で出産の立ち合いも、お見舞いも制限されてしまい、寂しいお産でしたが、退院後は在宅勤務になったパパと一緒に子育てできました。
「紗」の字は、薄くきめ細かい絹(織物)のこと。優しくみんなを包みこむ人になって欲しい、何事にも柔軟に対応できるよう、強さとしなやかさを兼ね備えた子に育ってほしい、未来永劫素敵な人生を送りますようにと「紗永」と名付けました。
手がかからず誰にでもにこにこ笑顔で、優しいお姉ちゃんと一緒にいつも側で遊んでいます。
お雛様は、長女の時にもお世話になった吉德浅草橋本店で、女流作家の華やかな刺繍がたっぷり入った、桜色の可愛らしいお着物のお人形を選びました。
初節句には、お姉ちゃんと一緒にお着物を着て、両家祖父母と会食をし、娘の成長をみんなで祝いました。お姉ちゃんのお雛様と並べて、お部屋がとても豪華になりました。
二組の素敵なお雛様と一緒に、毎年子供たちの成長を見守っていくのがとても楽しみです。
(母・丸山 幸子 記)



二度の一目惚れ

大阪府大阪市
井坂 文音(いさか あやの)ちゃん
(令和二年九月二十五日生)


初孫が生まれる前から雛人形をプレゼントできることがとても嬉しく、ブランドは「顔がいのち」の吉德大光さんと決めていました。まずはネットで探したところ、紫色のシックな衣裳の立ち雛に一目惚れ。屏風は豪華で、お道具はすっきり。娘やお婿さんのお母様も満場一致で決定しました。
とは言うものの、やはり現物を見ないと不安なため、大阪店まで参りました。対応していただいたのは物腰の柔らかなベテランの店員さん。お目当ての品はありましたが、「立ち雛でしたら、こちらもお勧めですよ。」と見せてくださったのが、樋泉円さんの作品でした。男雛には天皇陛下のみお召しになれる「黄櫨染御袍」、女雛には鮮やかなグリーンの衣裳。それらは糊付けせずに着せ付けるという大変手の込んだものだそうです。そして何よりも気品溢れるお顔。ここで、二度目の一目惚れをしてしまいました!屏風やお道具もシンプルながら大変センスがよく、骨董品に詳しい目利きの主人もこちらを推してくれたため、購入を決断したのです。
そして迎えた初節句当日。両家が揃い、お雛様と共に穏やかな時間を過ごせました。娘のインスタグラムを観た友人達も、「素敵!」「私も欲しい!」とお褒めのコメントを沢山くださったそうです。
素晴らしいお雛様にご縁をいただいた吉德さんと店員さんに心より感謝申し上げ、今後末永く大切にして参りたいと存じます。
(祖母・北川 仁美 記)