絆(きずな)2021年版・第21号 その2

美琴の初節句

千葉県流山市
木村 美琴(きむら みこと)ちゃん
(令和元年 五月一日生)


令和元年五月一日、我が家に長女が誕生しました。生まれてきた娘の顔を見て、お雛様のような切れ長の綺麗な目から、和の響きをもった名前を付けたいと思い「美琴」と名付けました。
長男の時に吉德さんでとても良い兜を両親に買ってもらったので、娘の雛人形もぜひ吉德さんでと考えていました。いろいろなお店にも何度か足を運びましたが、最終的には吉德浅草橋本店で決めました。
「顔がいのちの吉德」とテレビCMでもやっているように、とても美しくて綺麗な顔立ちのお雛様ばかりでした。店員さんは博識で、私たちが悩んでいるとお雛様の着物や屏風の柄の意味など細かなところまで説明してくださいました。そのおかげで、美しい着物に身を包み、娘のような切れ長の素敵な目をした立ち姿雛に出会うことができました。
暗いニュースが多く、不安な日々を送っている時に、初節句そして一歳の誕生日と明るいニュースを届けてくれる娘。きっと強くて明るい元気な子に育ってくれると思います。 これからも災いから娘を守ってくれるように、また健やかな成長を願って、毎年雛人形を大切に飾っていきたいと思います。 この度は、素敵なご縁をありがとうございました。
(母・木村 美幸 記)



健やかな成長を願って

埼玉県さいたま市
村澤 百花(むらさわ ももか)ちゃん
(令和元年 五月一日生)


元号が平成から令和に移った日、令和元年五月一日に待望の第一子「百花」が誕生しました。出産後は慣れない育児に奮闘する日々が続き季節の移ろいを感じる余裕もありませんでした。
暑さが和らいできた頃、両親から雛人形を贈りたい旨の提案を受けました。そして、十一月頃に浅草橋を訪れました。
最初に伺った吉德さんには素敵なお雛様が並んでいて圧巻でした。特に作家さんの作品はとても優美でした。気になったお雛様がありましたが、即決できずにいた私は他のお店も何度か見て回りました。しかし、そこは「顔がいのち」の吉德さん。最終的には夫も私も吉德さんの顔が好みと意見が一致し、最初に気になった小振りながらも存在感があり娘にずっと寄り添ってくれそうな優しいお顔立ちの秋葉聡さんの彩花雛に決めました。屏風には加賀蒔絵の流水桜が施され娘の名前にぴったりでした。
初めての飾り付けは娘を初めて抱っこした時のように緊張しました。家にやってきたお雛様を見てにっこりと微笑んでいる娘の姿を見て私も嬉しくなりました。そして、初節句も笑顔の絶えない一日となりました。娘が大きくなったらお雛様に託した父母の想い、祖父母の愛情、そして家族みんなが百花の健やかな成長を願っていたことを伝えてあげたいです。そして、娘の笑顔とともに大切な時間を過ごしていきたいです。
(母・村澤 真理子 記)



このお雛様のように

千葉県流山市
佐久間 優音(さくま ゆの)ちゃん
(令和元年 五月二日生)


令和の時代が始まって間もなく生まれてきた優音。ゆっくりと成長し、いつの間にか初節句を迎える時季となりました。自分自身、大人になるまでずっと愛着を持っていた雛人形。歴史の深い吉德さんで選びたい、そう思い、近くの店へ出かけました。迷っていると母が「これ素敵ね」と一つの人形を指差しました。それは確かに素敵でしたが、ほんわかした雰囲気の娘にイメージしていたものとはまた違ったもの。結局その日はパンフレットだけ持ち帰りました。何度もページをめくって眺めたり、インターネットで探したり…。たった一つの雛人形はやはりもう一度見て選びたいと思い、今度は浅草橋本店へ行くことにしました。
その日は作家さんの実演があり、偶然にもあの人形を作った秋葉聡さんがいらっしゃいました。改めてその人形を間近で見ると本当に綺麗で優雅な雰囲気に引き込まれました。店内を隅々まで見て回り、たくさんの素敵な人形に悩みましたが、何人もの店員さんが丁寧に相談に乗ってくれました。そしてようやく選んだのは、やはりあの雛人形。実演で作られたばかりの人形の温かく美しいお顔に惹かれ、お願いをしました。それまでずり這いもできなかった娘ですが、雛人形を触ろうと動き、一所懸命手を伸ばして嬉しそうに声をあげ、この雛人形が娘を大きく成長させてくれました。強く優しく、自分らしくあって欲しいという願いを映し出した様な雛人形。出会えて本当に良かったです。いつまでも大切にしていきたいと思います。
(母・佐久間 恵 記)



お気に入りのお雛様

愛知県江南市
吉岡 みこと(よしおか みこと)ちゃん
(令和元年 五月四日生)


平成最後の日である四月三十日が予定日だった孫娘「みこと」は令和に変わって四日目の五月四日に誕生しました。
初節句のお雛様選びは、娘のお雛様を選んだ約三十年前以来のこと、何をどう選んでいいものか全くの手探りのなか、ご紹介を受けた吉德さんに伺いました。娘のころは段飾りが主流だったと記憶していますが、今は多くが男雛と女雛だけの親王飾りだということにまずは驚きました。
近くでじっくり拝見すると、顔の形や衣裳の色、細かい作り込みなどは作家さんによって十人十色。素人の私たち夫婦がどう選んだらよいかわかりませんでしたが、吉德の方が懇切丁寧に解説、悩みの多くを解消してくださいました。また天皇陛下御即位の年にちなんで、男雛の衣裳には「黄櫨染」が多いとのお話を聞き、迷わずその色を選びました。男雛と女雛の上品なお顔が決め手となったのは言うまでもありません。
ひな祭りの日には孫たちは愛知から里帰りしてきました。吉德さんから送ったお雛様は愛知でお留守番でしたので、実家では二十数年ぶりに段飾りを復活させ、皆で祝いました。そんな懐かしいお雛様たちに会えたのも吉徳さんがきっかけでした。ありがとうございました。
(祖父・中村 尚哉 記)