絆(きずな)2021年版・第21号 その4

我が子の成長を願って

東京都日野市
寺澤 広翔(てらさわ ひろと)くん
(令和元年 五月二十一日生)


令和元年五月二十一日に「広翔」が誕生しました。名前は、広く優しい心を持ち強く羽ばたいてほしいとの願いを込め、夫婦で名付けました。月日が経つのは早く、気づけば桜が咲き始めた時期。第一子ということもあり、初節句はしっかりやりたいという気持ちがありました。
そんな時、まるで自分の息子のように可愛がってくれる私の両親から誘いがあり、五月人形を見に行きました。人生でこんなに五月人形を見ることはないくらい一日で何軒も回りました。
運命の五月人形と出会ったのが八王子の吉德さんです。店内は明るい雰囲気で、豊富な品揃えでした。五月人形の知識があまりなく鎧か兜どちらか決めかねていた私達でしたが、店員さんが丁寧に兜と鎧の意味、細かい刺繍の違いを説明してくれました。兜の形や金箔押しで山水が描かれた屏風等を含め、全員一致で一生ものの兜が決まりました。 私の両親に購入してもらいましたが、父は「鎧だけによろめいちゃった」とか嬉しそうに冗談を言っていました。そして五月五日。両親も参加し、初節句をお祝いしました。改めてたくさんの人達の支えがありこの日を迎えることができることに感謝するとともに、家族の絆を実感しました。息子は間もなく一歳を迎えます。
来年は歩けているかな?おしゃべりできるかな?兜は来年もこの先もずっと健やかに成長していく息子を見守ってくれるでしょう。
八王子の吉德の皆様、素敵な出会いをありがとうございました。
(母・寺澤 美湖 記)



海を渡り 受け継がれる日本文化

米国 カリフォルニア州
スギエ 智紘(すぎえ ともひろ)くん
(平成三十年 十二月三十日生)


令和元年八月十八日、元気な産声と共に、我が家に待望の第一子が誕生しました。人と人とを結びつける、賢く聡明な人になってほしいと願いを込めて、「智紘」と名付けました。
海外に住んでいるため初節句を諦めていた私たち夫婦でしたが、日本に住む両親が代わりに見に行き発送すると言ってくれたので、兜の購入を検討することにしました。何店か見て回った上で、品質がよく上品な兜が揃っていたこと、海外配送もお任せくださいと言ってくださったことから、両親は吉德さんでの購入を決めたそうです。その後、両親からの写真をもとに、夫婦で一番気に入ったものを選びました。丁寧な梱包で配送の対応も早く、完璧な状態で受け取ることができ、とても感謝しています。実物を手にした時は、繊細で美しい色合いの兜に目を見張り、童心に返ったように心が躍りました。その佇まいは、我が子を守ってくれるであろう力強さと逞しさがあります。飾られた兜と笑顔で写る息子の写真を見た両家の両親からも、温かいお祝いの言葉をもらいました。
これからも毎年兜を飾りながら息子の健やかな成長を願うと共に、日本の伝統文化を大切に伝えていきたいと思います。
(母・スギエ 咲保里 記)



笑顔咲く 梛仁の初節句

山梨県笛吹市
菊地 梛仁(きくち なぎと)くん
(平成三十年 七月二十三日生)


新時代に沸く令和元年、梛仁は産声を上げました。出産予定日は八月だったのですが、一時間近く歩いても、何百回スクワットしても出て来てくれず、予定日より二週間遅れで九月に私達のもとに舞い降りてくれました。人より長くお腹の中にいた分、息子が一層かわいく、誕生が本当に嬉しかったことを今でも覚えています。
そんな息子に、「仁」(人を思いやる気持ち)を大切にして、熊野の御神木である「梛」に神様の守護を得られますようにとの願いを込め、「梛仁」と名付けました。
初節句を考えねばと思っていたとき、義父母から「吉德さん良かったよ」との話があり、吉德八王子店に早速見に行きました。私は兜をじっくりと見たこともなく、どの兜も同じに見えていました。しかし、説明を聞きながら見てみると、しころなどの細工がひとつひとつ異なり、繊細な美しさに気が付きうっとりしてしまいました。その中で、鍬形の彫りが他にはない輝きを放っていた別所実正さんの兜に、夫婦で「これにしよう!」と決めました。
ある日、和室に飾った兜を息子が食い入るように見つめていました。その様子を見たとき、この兜に決めてよかったと心から思えました。コロナ禍において、親族皆でのお祝いは叶いませんでした。しかし、夫婦どちらが梛仁を抱っこするかで小競り合いしながら、家族三人笑顔で兜の前で写真を撮りました。毎年兜を飾り、息子の成長を見守るのがこれから楽しみです。
(母・菊地 真智 記)



晴斗の初節句 〜兜に見守られて〜

埼玉県さいたま市
中神 晴斗(なかがみ はると)くん
(令和元年 十月三十日生)


令和元年十月三十日、秋晴れの名に相応しく雲ひとつない日に第三子が元気に生まれてきてくれました。私たち夫婦は、とても天気の良い日に生まれてきてくれた事、そしていつまでも晴れやかな人生を広く大きく歩んで欲しいという願いから「晴斗」と名付けました。
長女の時、お雛様を探しに色々と見て回りました。その中で上品なお顔立ちの人形が目に留まり、吉德さんに決め私の両親に贈ってもらいました。長男の時は主人の両親から贈ってくださる事になりましたが、北海道という遠方に住んでいる事もあり、「晴斗君に合う良い兜を選んであげてね」と言ってくださり、新型コロナの自粛中三人の子供と私は家でお留守番し、主人が吉德さんに一人でお店に行き晴斗に合う素敵な兜を選んできてくれました。家に帰ってきた主人から、お店の方がとても親身になり晴斗の兜を選ぶアドバイスをしていただけた事、そして質の高い納得した兜を選べた事を聞き、私もとても嬉しくなりました。そして、この大変な時期に無事晴斗の初節句を祝える事に安堵致しました。
子供三人、毎日とても賑やかです。今現在長女は四歳、次女は二歳となりました。長女は毎年雛祭りが来るのを楽しみにしており、次女は自分のお雛様がある事がとても嬉しそうです。これからも祖父母方や兜、そしてお人形に見守られながら、心も身体も大きくなってもらいたいと思っています。
(母・中神 直美 記)