絆(きずな)2023年版・第23号 その4

五月人形と鯉のぼりの思い出

千葉県松戸市
野村 壮真(のむら そうま)くん
(令和三年十月二十七日生)


令和三年十月二十七日に我が家に待望の第一子が誕生しました。その日は朝は曇り、晴れ間がさした後に雨が降るという忙しい一日でした。誕生した息子に私の名前から「壮」という字をとり壮真と名付けました。真心を持ち、誰に対しても誠実で真(芯)のある人に育って欲しいと思い「真」という字を選びました。
息子が生まれ初節句を迎えるにあたって、私には忘れられない思い出と気持ちがあります。私の祖父母は私と四つ年上の兄の為に浅草橋まで行って五月人形を購入したそうです。私は全く覚えていないのですが五月人形の前で家族と一緒に写真に写っている祖父母は今までのどんな写真よりも嬉しそうな笑顔でした。その時の祖父母の気持ちを考えると暖かな気持ちになります。また私にはカメラという趣味があります。私のカメラ好きの友人がある写真を見せてくれました。東日本大震災の時に瓦礫と化した街に力強く立てられた鯉のぼりの写真です。その力強さに魅かれ男の子が生まれたら鯉のぼりを絶対に買おうと決めていました。
吉德の浅草橋本店とモラージュ柏店に行って応対していただいた店員さんのアドバイスを受け、紅白が印象的な五月人形と鯉のぼりを即購入しました。初節句は両家で久し振りに顔を合わせる事ができ、お祝いをしました。息子の成長を喜びあえたのも吉德のおかげだと思っています。息子も鯉の様に力強く育って欲しいと感じています。
(父・野村 壮祐 記)


想いがつまった兜

埼玉県所沢市
阿部 耕大(あべ こうだい)くん
(令和三年十一月二日生)


令和三年十一月二日明朝、第一子となる長男が我が家に来てくれました。 コロナ禍で社会や病院での対応も日々変化していった妊娠期間でしたが、出産時には、立ち合い時間十五分という制限があったにも関わらず、夫が全力で駆けつけてくれ、大きな産声を二人で聴けた感動は今でも忘れません。
産声をあげた直後、堂々としてキョロキョロと周囲を見渡していた様子から、逞しさを感じ、「自分の力で未来を大きく耕す人」になってほしいと願い「耕大」と名付けました。
兜の購入の提案は、耕大が生まれて一週間も経たずに義父母からしてくれました。姉妹育ちで兜と縁がなかった私でしたが、実家には私が誕生した時に祖母が選んでくれた素敵な雛人形があったため、兜を飾れることがとても嬉しく思いました。
義父母は「節句の人形といったら、吉德の人形が素敵だよ」と、選ぶことも楽しみにしてくれていました。その後、義父母は何度も何度も店頭に足を運び店員さんと相談して、実物を見てから納得のいく兜を贈ってくれたそうです。贈っていただいた兜は、とても力強く、装飾も豪華で、背景の富士山も私たち夫婦は気に入っています。
私達夫婦だけでなく、いろいろな人に見守られ、健やかな成長を楽しみにされていること。これから毎年兜を大切に飾りながら息子に伝えていきたいです。
(母・阿部 幸子 記)


初孫の初節句に祖母より

埼玉県草加市
佐藤 志穏(さとう しおん)くん
(令和三年十一月二日生)


令和三年、新型コロナウィルスが猛威を振るう中、父親の立ち合い分娩も当初はできないとの事。病院への付き添いからお見舞いに至るまで人数制限がありました。娘はマスク着用の出産に耐え、丁度私が病院にかけつけた頃響き渡る程の大きな産声をあげる男児(体重三六五〇g、身長五二)を出産しました。元気な孫の誕生に飛び上がる程の喜びをいただきました。
その孫の初節句のお祝いを購入しに吉德浅草橋本店に出向きました。勇壮な兜を目にし、孫の健やかな成長を重ね願い即決しました。一緒に来た娘もこの兜に魅了され、我が家にとっては高価で贅沢だと思いつつも感謝の気持ちを込めて祝いの品として贈りました。
節句の日には、孫を菖蒲湯に入浴させ、陣羽織を着せました。出張が多いお婿さんと久しぶりに会う事も叶い家族で迎えられた初節句は、人生最高に神々しいものとなりました。その一端を担って下さった吉德のみなさんには感謝の気持ちでいっぱいです。心より御礼を申し上げます。
(祖母・江﨑 美鈴 記)


京吾の幸せな初節句

茨城県龍ヶ崎市
吉澤 京吾(よしざわ けいご)くん
(令和三年十二月十一日生)


令和三年十二月十一日予定通りにパパの立ち合いのもと男の子が誕生しました。
お店で五月人形が並び始めたのを拝見し、我が家も用意したい気持ちになりました。主人に「どちらの両親に用意してもらうか等は地域によって違うらしいので、お互い両親に相談しよう」と話したところ、主人の家では五月人形を飾る文化がなかったようで「必要ない」という意見でした。私の実家では、毎年出していたのでどうしようか?と悩んでいたところ、私の父が主人に「買ってあげるから用意したら?」と話してくれて主人も「お義父さんが用意してくれるなら」ということで購入をすることに決まりました。
「五月人形を買うなら浅草橋!私達兄弟と同じお店に行こう!」と浅草橋本店に伺いました。お店では「兜は鱗の鍬形で、結びは飾り結びが良い、畳の上にお櫃が良い、屏風は白の松が良い、刀は金のものが理想」と好きなものをお伝えすると理想通りの兜をご紹介いただきました。
「お気に入りの兜に出会えた!」と嬉しい気持ちで帰りました。飾っている時も何度も見てはうっとりしました。飾る文化のなかった主人も家に飾ってある兜を見て「いいね!」と何度も言ってくれました。
また、初節句のお祝いの日は、息子が初寝返りできた日でもありました!お食い初めもかねてお祝いしたので、お祝いのお料理や袴風のエプロン、兜の箸袋、鯉のぼりの箸置きを手作りして迎えました。
来年もまた、兜を出すのが今から楽しみです。
(母・吉澤 美緒 記)